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株式投資に役立つ「金利のお話し」金利と景気

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金利と景気の関係

ニュースで金利上昇で景気が良いという話もあれば、金利上昇で景気悪化懸念という時もあるのよね。当たり前のように記事になっているけど結局、金利と景気の関係はどうなっているんですか?

金利ってなに?

 株式投資をする時に新聞やネットで経済の情報を調べたりします。景気が良くなりそうとなれば株価が上がりますし、景気がこれから悪くなりそうとなると株価は下がっていきます。常に株価は半年から1年ぐらい先を見て先行して動いていきます。

 経済ニュースを見るとよく金利の話がでてきます。「FRBが0.75利上げ決定、ナスダック大幅下落」「日米金利差で円安加速」「金利上昇で株安」などの見出しがあるなか、「金利上昇で株価上昇」という局面もあります。一体「金利」は株価にどういう影響を与えるのか分かりにくいところがあって、しっかりと「金利とはなにか」を根本の部分で理解していないと、ニュースがただ右から左に流れてなんとなく曖昧のまま理解していることになります。

まず金利とは?を大きく捉えると

「金利=経済の体温」

と言われています。

金利は経済の体温と言われている。

「体温」は体の調子を計るには便利な物です。体温が高いと体の調子が少し悪くなります。さらに上昇しすぎると寝込んでしまいます。ほどよい体温であれば健康的で良いですが、高すぎると体を壊し、低すぎても免疫力が落ちて病気になりがちです。人の体の健康は波があり良いときもあれば落ち込んでしまうこともあります。

体の調子を計るのが体温のように、景気の調子を計る目安の1つが金利です。 

まず金利の基本的な動きから・・

 景気が悪いとき、物が売れませんからデフレになって企業も積極的に設備投資や採用を控えます。お金を借りて積極的に事業を推し進めようとする企業も少なくなりますからお金を借りたい人が減っていきます。

 また働いている人も景気が悪いと給料が増えないので消費を控えます。住宅を購入するのを控えたり、車などの高額品をローンで購入など控えがちです。

 銀行はお金を貸して利益を稼ぐので、お金を借りたいという需要が減ると困ります。お金を借りたいというのが少ないので高い金利でも誰も借りてくれません。自然と金利は下がってきます。

景気が悪いと金利が下がる

 経済が活発で景気が良くなると消費が活発になり物が売れてインフレになっていきます。物が売れますから企業は設備投資を増やしたり採用を増やします。お金を借りて積極的に事業を展開しようとする企業が増えていきます。

 また働いている人も給料が増えるので消費を増やします。住宅購入したり、車などの高級品をローンで購入します。

 経済が活発になり銀行はお金を借りたいという需要が増えると金利が高くても借りたい人が増えるので自然と金利が上がっていきます。

「景気が良いと金利が上がる」 

ここまでの関係は分かりやすいですね。

 でも最近の米国は「金利上昇→景気悪化懸念」となっています。FRBが短期金利を上げるとNYダウやナスダックが大幅下落になったりします。経済が活発で景気が良いと金利が上昇するのに、最近は「金利上昇→景気悪化」という捉え方です。

 同じ金利上昇でも、景気の局面によって捉え方が違うのです。これが少し金利と景気の関係を複雑にしている部分でもあります。

金利と景気の関係のサイクル

金利上昇でも次のように景気の局面によって捉え方が異なります。

景気回復局面 → 金利が上昇していく

金利上昇が行き過ぎる → 景気悪化

 金利が上がるときは景気良くなっているときです。そしてドンドン経済が活発になると資金需要が増えて金利がさらに上昇していき、今度は金利が高すぎるのでお金を借りづらくなって景気にブレーキがかかります。

つまり金利の上昇はそのステージによって景気回復にもなりますし、景気悪化にもなります。

【景気と金利の関係】

 赤色の線がが金利の動きです。黄色の線が景気の動きです。金利の動きより景気の動きが先行します。

 金利の低い時は景気が悪いので金利が低くなっていますが、その分お金が借りやすいので徐々にお金の需要が増えてきます。そうすると経済が徐々に活発になって金利が少しづつ高くなっていきます。さらにお金を借りたい人が増えて金利が上昇する局面です。しかし経済が活発になって金利が上昇しすぎると今度はお金を借りづらくなって消費が減少、経済が徐々に停滞してきて金利が低下します。

すべてこの通り綺麗に動くとも限りませんが、景気と金利の関係はこのようなサイクルになっています。

「金利のお話し」のまとめ

 米国の2020年は経済対策やコロナウィルス後の経済再開で金利が緩やかに上昇。株価も上昇しました。2021年半ばぐらいまで堅調でしたが、その後急激なインフレで金利が急上昇となり、そのため今度は景気後退懸念で株価は急落しました。

金利の上昇は、景気の局面によって捉え方が異なります。

景気回復するとき金利の上昇する

金利が上昇しすぎると景気が悪化する。

経済ニュースで金利の話が出てきたとき、今景気のどの局面なのか?を考えてみると経済ニュースも面白くなってくると思います。

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